レーザートラッカー試作機

獣害対策の必要性

平成26年度の全国の野生鳥獣による農作物被害状況は、合計で191億円となっています。そのうちでも、鹿による被害が65億円、猪による被害が54億円、猿による被害が13億円、烏による被害が17億円となっています。鹿と猪が、こんなに増えたのは、天敵であった狼が絶滅したこと、狩猟を行うハンターの減少、温暖化で冬でも食べ物があって越冬できるようになったことなどが原因だそうです。

特に鹿は増加傾向にあり、非常にひつこく、頻繁に出現し、畑の農作物を壊滅状態にしてしまいます。何よりも、せっかく作った作物を食べられた時の生産者の落胆が大きく、農作物を作る気が失せてしまいます。新就農者の場合、貸してもらえる土地は、獣害に遭いやすい場所が多く、中には、夜間の見回り中に、猪に襲われて大怪我をしたという話も聞こえてきます。

柵による対策も、2m以上の高さの柵を張り巡らさねければならず、設置の労力や資材費用の面でも大きな負担となっています。

捕獲檻を設置しても、なかなか入ってくれません。また、捕獲檻に餌を入れたり、害獣が檻に入っていないかどうかの見回りも労力がいります。猟友会による捕獲も、数が多くはなく、また、猟友会会員の老齢化が進み、ハンター不足になっています。

レーザーを活用した獣害対策

レーザーを活用した獣害対策を考えてみましょう。

  • 目的  畑の作物を獣害から守る
  • 状況  獣害は、夜間や明け方に発生する
  • 対策
    • 人感センサーで鹿や猪の接近を検知する
    • 赤外線ライトを点灯して、赤外線カメラで瞳の反射を検知
    • 瞳近くにレーザー光線を照射
    • 検知限界まで追跡

レーザーは、非常に明るい輝点が、遠方まで届きます。広い農場をカバーするのに適しています。また、夜行性動物の瞳孔は開ききっているので、明るいレーザー光が一瞬でも目に入ると、非常に眩しく感じるはずです。場合によっては、しばらく白点が目に浮かんで、視覚が機能しなくなることでしょう。

動作時間

夜の9時から翌朝4時まで動作。それ以外の時間帯は動作しない。

利用環境

  • AC100V、WiFiアクセスポイントがある場所で利用する
  • WiFiコントロール (RaspberryPi3利用)
  • 雨露が防げる天井の下に設置する
  • 風で飛ばされないように固定する

試作3号機

試作3号機は、赤外線ライト2基と赤外線カメラ、サーマルカメラをもち、Projection Ballでレーザーを照射する仕組みです。Projection Ballの照射範囲は、あまり広くはありませんが、サーマルカメラの撮影範囲はカバーできます。

赤外線カメラに写った害獣の瞳は、とても明るく写るので、単純な閾値の二値化で検出することができます。

フレーム画像毎に二値化処理を行って、中心座標を算出すれば、瞳孔の追跡ができます。適切な予測フィルター処理を行えれば、害獣がどこに移動するか、予め予測できるかもしれません。

では、人間が写った場合にはどうなるのでしょうか? 害獣のようにレーザーが照射れれるのでしょうか?

人間の場合、衣服を身に着けているので、衣服の漂白成分が明るく写ります。また、人間の瞳はあまり明るく写りません。なので、人間の瞳をめがけてレーザーが照射されることはありません。

さらに、サーマルカメラも併用して、明るく写っている点が体温程度の温度であることを検知することができます。

電子ライターで、赤外線と熱をだした場合、正確にレーザーで狙い撃ちできます。熱源であった場合だけレーザーを照射することで、飛来する虫や風の影響などによる誤動作をなくすことができます。

その他の工夫

基本的に、レーザーは水平よりも下側に照射されるようにセットします。それでも、地形によっては、民家や道路が照射範囲に入るかもしれません。そこで、攻撃する領域のマスク画像を作っておき、レーザーが照射される範囲を限定することができるようにしてあります。

また、計算負荷が増加しますが、人工知能による画像認識で、人間か害獣かの判別も行うことができます。害獣だけにレーザーを照射し、人間や自動車などにはレーザーを照射しないようにすることができます。

しかし、真夜中の畑に入り込んで、這いずり回っている人間がいたとしたら、かなり事件性を疑うべきかもしれません。

利用用途

1.獣害に困っている農地での利用

2.ゴルフ場や公園、屋外施設での獣害対策

3.防犯対策

4.倉庫や工場での発熱検知、発熱源のレーザーポインティング

展示会デモ

本レーザートラッカーは、展示会で参考出品いたします。

2017年10月4日から6日 幕張メッセ バイオオプト展 アイティプランツ ブースにて

2017年10月18日〜20日 長浜バイオ大学ドーム びわ湖環境ビジネスメッセ 「環境」と「健康」産業振興プロジェクトゾーン X-02

 

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