レーザー式獣害対策装置 Lobo Jr.の作り方を説明します。Lobo Jr.は、シンプルな構成で、接近してきた害獣を検知して、レーザーモジュールをモーターで回転させながら、レーザー光線を照射します。夜行性の動物を追い払うものです。害獣の検出には、マイクロ波ドップラーセンサー(RCWL)を使っています。このセンサーは、5m〜7mの検出距離があり、害獣が草陰に隠れていても検出することができます。センサーの検出範囲を拡大するためのSensorNodeもあります。複数のSensorNodeを10m間隔で配置すれば、広い範囲で害獣の検出が可能になります。
材料
ESP32 NodeMCU
Steper Moter(Stepper 28BYJ)
コンデンサ
DC-DC
RCWL-0516
ボタン電池
RTC DS3231
マイクロスイッチ
アクリル板
バックルコンテナ BL-21
DCジャック
TBD62003APG
4.7kΩ カーボン抵抗
3.3V 三端子レギュレター
5V ACアダプター
グリーンレーザー
アクリルサンデー
ハンダゴテ
ハンダ
カッターナイフ
ラジオペンチ
ニッパ
ドリル
配線材
ユニバーサル基板
ヘッダーピン
スペーサー
ビス類
板
角柱
注)レーザーを直視しないようにしてください。屋外では、1mW以上のパワーがあるレーザーが効果的です。
配線
配膳図に従って、配線していきます。
部品
三端子レギュレターは、レーザーに電源を供給するためのものです。INPUTに5Vを入れれば、OUTPUTから3.3Vがでてきます。
レーザードライバーには、TBD62003APGを使います。
7チャネルあり、各チャネル毎に500mA流せます。7チャネルを一つに束ねて並列で使用します。入力には、3.3Vを与えれば、出力がGNDにつがります。いわば、スイッチのような役割になります。
ステッピングモーターは、5個で1080円の格安ステッピングモーターを使います。このモーターには、ULN2003ドライバーボードが付いています。
モーターの根本のコードが切れやすいので、ホットメルトでコードとモーターを固めて使うのが良いでしょう。
マイクロスイッチは、モーターの原点だしのために使います。このマイクロスイッチは、常閉型(通常ON、押すとOFF)です。過電流が流れないように、4.7kΩをつないでおきます。
RTC(リアルタイム・クロック)は、時刻を保持するために使います。常時、WiFi接続できる環境では必要ありません。RTCは、I2Cインターフェースに接続します。I2Cインターフェースのクロックは、最大で100kHzです。少し低めの500kHzで使ったほうが、読み出しミスが少なくなります。
RTCのバッテリーは、充電可能なリチウム電池を使います。RTCにつながっている電源で充電されます。
ESP32は、ESP32-DevKitCが使いやすいですが、少々、値段が高いです。
より安価な ESP32 NodeMCUボードでも使えます。このボードの場合、プログラムを書き込むときに、右側のボタンを押す必要があります。ESP32-DevKitCの方は、ボタンを押す必要はありません。
RCWL-0516マイクロ波レーダーセンサーは、安価に入手できます。VINには4V以上必要なので、5Vを入れます。
レーザーは、高出力タイプのものがよいでしょう。ラインレーザーが適しています。グリーンレーザーが明るく見えます。国内では、入手しにくいので、ebayなどで購入します。様々な種類がありますが、小型のレーザーモジュールを選んでください。
532nm 50mw Green Line Laser Diode Module Brass 3-4.2V w/ Driver + Springならば、1736円で購入できます。
また、ポイントレーザーならば、50mw 532nm DIY Green beam Free Driver Brass Green Laser Dot Module New /Wで、191円で購入できます。
なお、ハイパワーのレーザーの使用は、各人の責任のもとで行ってください。
日本国内では、出力:1mW以下のものが販売されています。
こちらを使う方が安全です。
昇圧型DC-DCは、バッテリー駆動の場合には必要ですが、ACアダプターで5Vを供給する場合には不要です。
モーターの取付け方
ステッピングモーターの取付け方は、回転軸をアクリル板に開けた穴に差し込んで、モーター側を回転させます。モーターに、レーザーを取付けます。レーザーホルダーは、20mmのパイプホルダーを使います。両面テープで貼り付けておけばいいでしょう。
ラインレーザーを使う場合は、レーザーを上下に振るように取付けます。
ポイントレーザーを用いる場合には、レーザーを左右に振るように取付けます。
オプション
他には、オプションでソーラーパネルで昼間に充電することもできます。バッテリーには、バイク用のバッテリーを使うと良いでしょう。購入には、両方で約5000円ほどかかります。
ソーラーパネルによる電源フリー化の記事に詳しく書いています。
ESP32のプログラミングは、ArduinoのIDEを使います。ソースコードは、近日、Githubなどに公開予定です。実は、ハードウエアよりも、ソフトウエアの方が、開発は大変でした。
効果
2018年5月29日、Lobo Jrの後ろに、大きな鹿の足跡がありました。慌てて逃げたのだろうと思われます。害獣がLoboの背後に回らないように、壁際に設置するようにしましょう。
なお、本製作記事を参考にした制作物による事故などには、責任を持てません。各自の責任で行ってください。
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