PiCamトレイルカメラ

Raspberry PiとI Rライトを使った、トレイルカメラを作成しました。既存のトレイルカメラは、IRライトの到達距離が短く、数m先しか写りません。そこで、強力なIRライトを搭載した、トレイルカメラを考えました。

使用したIRライトは、8Wで波長850nmのもので、パワーLEDが6つ搭載されています。20〜30mは照らせるというものです。

電源は12V8.5Aのものです。DCDCで12Vから5Vを作って、Raspberry Pi 3 Model Bに接続してあります。Raspberry Piには、IRカメラがつながっています。

ケースに収めた写真がこれです。

IRライトの上部にカメラが覗いています。このトレイルカメラには、センサーが付いていませんが、獣害対策装置やSensorNodeが害獣を検知した時に、UDPによる通知を受けて、録画を開始します。録画処理には、OpenCVを使っています。mjpg-streamerで画像をストリーミング配信しているので、ブラウザからカメラの画像を見ることもできます。

夜間撮影に備えて、ISOを高くして、露出をNighにしてあります。昼間でも、若干、白黒っぽい画像になります。

 

 

獣害対策(追払い編)

レーザーをランダムに照射する方法は、失敗でした。最初は、遠くからレーザーの輝点が動くのを観察していたのでしょう。そして、そろそろと近づいてきても、自分の動きには反応しないことを学習したのだと思います。鹿は、「この光は、自分には関係ない、ただのそういう現象だ」ということを学習したのだと思います。単なる現象ならば、恐れるに足りずということで、どんどん畑に入ってきて、植えてある野菜を食べだしたことでしょう。食べている時に、レーザーが目の近くに来ると眩しいので、レーザーの方にお尻を向けて、食害を続けたことだと思います。

レーザーを動かすサーボモーターも、1ヶ月間、夜間連続で動かしたためか、動きがおかしくなってきました。サーボモーターの故障のようです。レーザーの動く範囲が狭くなりました。

今回のレーザー光線ランダム照射実験から得られた課題をあげていきましょう。

1.鹿や猪の検出

やっぱり、害獣が畑に来たことを検出してからレーザーを動かさなければなりません。レーザーが動くのは、極、短時間でいいのです。

2.追払い動作

害獣の目の近くにレーザーが照射されなければ効果がありません。検出した害獣の目を検出して、正確に、レーザーを命中させる必要があります。これは、かなり高度な技術になります。

3.追撃動作

追払い動作だけでなく、害獣が逃げ出したら、すかさず追撃して、害獣に、ここまで来れば安全だと思わせないことです。完全に姿が消えるまで、追撃動作を続ける必要があります。

他にも気がついたことは、追払い動作の前に、何か特徴的な音をだすことです。害獣は、この音と追い払われて追撃されたことを記憶して、この音を聞くだけで逃避行動を起こすようになるでしょう。

4.逃げない時には?

レーザーでは逃げない可能性もあります。そこで、逃避行動が確認されない場合には、第二の追払い動作を行います。ロケット花火の自動発射がいいと思います。市役所に行けば、害獣追払い用のロケット花火や爆竹を無償で配布してくれます。このロケット花火を空に向けて発射すれば、爆音に驚いて逃げると思います。2発くらいは、発射したいところです。

ロケット花火以外には、BB弾のおもちゃの機関銃とか、水鉄砲とかが考えられます。

5.課題は?

先ず、真っ先に思い浮かぶのは、害獣ではなく、通りすがりの人間や自動車に向けての追払い行動が発生しないかどうかということでしょう。自動車の運転手の視界にレーザーが入ってきては、事故になりかねません。誤動作がないように、安全対策を施さなければなりません。他にも、何も来ていないのにロケット花火が打ち上がることも防がなければなりません。当然のことながら、雨や霧、風による草木の揺れ、昆虫の飛翔、日射変動にも反応しないようにしなければなりません。攻撃よりも、むしろ、安全対策のほうが大変そうです。

6.その他の難しさ

電源やWiFiが届かない場所での設置があげられます。ソーラーバッテリーで電源の確保をしなければなりません。また、バケツリレー方式でWiFiが届く範囲を広げるか、FONみたいなパブリックWiFiにつなげるかしなければなりません。WiFiスポットがなければ、3G通信になります。